日本顎口腔機能学会雑誌
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学術大会抄録
複数の機械学習手法を用いた嚥下音検出システムの提案
木村 慧榎本 崇宏後藤 祐美鈴木 善貴新開 瑞希柴垣 あかり松香 芳三
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2023 年 29 巻 2 号 p. 122-123

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抄録

I.目的

近年リハビリテーションや在宅医療において摂食嚥下障害に対する関心が高まっている.摂食嚥下障害を診断するために嚥下造影検査(VFSS:Video-Fluoroscopic Swallow Study)や嚥下内視鏡検査(FEES:Fiberoptic Endoscopic Examination of Swallowing)が行われるが,侵襲的な検査であり,高価な計測機器や専門技術が必要とされている.非侵襲的なスクリーニング法として,頸部聴診法に基づく嚥下障害の評価が行われているが,評価者の経験や主観に依存する.近年では,嚥下音は咽喉マイクロフォン等を用いて録音でき,簡便な嚥下障害のスクリーニングのために機械学習に基づく嚥下音検出法が提案されている2, 3).しかしながら,我々の調査によれば,音響特徴量のMFCC(Mel-Frequency Cepstrum Coefficients)は単独で使用され,単一の機械学習モデルが使用されてきた.そこで我々は複数の特徴量並びに複数の機械学習手法を用いた嚥下音自動検出システムにより,更なる性能向上を目指せるものと考えた.本研究では,ゼリー嚥下時において獲得された嚥下音データベースをもとに,提案する複数の機械学習手法を用いた嚥下音自動検出システムの有効性を検討することを目的とした.

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© 2023 日本顎口腔機能学会
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