2026 年 32 巻 1 号 p. 32-35
Ⅰ.目的
患者の「噛みにくい」「痛い」という主訴に対する診断が術者の経験や技術に依存することで,その診断根拠が曖昧になったり,治療効果の判定が患者の主観に左右されたりする可能性がある.顎機能障害の程度など,目に見えない機能や感覚を可視化・数値化することで,歯科医師自身の治療に対する妥当性・正当性の客観的な評価,患者への治療後のフィードバックの容易化や患者満足度の向上を実現できる.また,予後予測を可能にすることで歯科医師・患者が双方納得できる治療を提供できる.
本研究では,顎運動測定を実施し、歯列形態データと顎運動データを同一座標系に統合する可視化技術を用いて,顎機能を客観的に観察,評価するとともに新たな観察方法および評価方法について検討する.