2026 年 32 巻 1 号 p. 43-44
Ⅰ.目的
嚥下障害の精密検査としてゴールデンスタンダードなのがビデオ嚥下造影検査(VF)である.このVFの画像を定性的・定量的に解析することで,嚥下動態を表現可能である.今回のワークショップでは,このVF画像解析の手法を学ぶとともに,正常嚥下や嚥下障害の画像の見え方を学び1),口やのどの動きから嚥下のイメージをつかむことを最初の目的とした.それに加えて,現在,様々な臨床現場で普及しつつある超小型超音波診断装置(ポータブルエコー)を用いて,口腔・咽頭内の画像の見え方を学習することとした.
本実習は第1部として,まず正常嚥下のVF画像を教材とし,解析手法を学習してもらった.口腔残留や咽頭残留といった定性的評価項目や口腔通過時間や咽頭通過時間といった定量的評価項目を学んでもらった.第2部として,サルコペニアの症例による嚥下障害を有する患者さんのVF画像の解析を実際に体験してもらい,検者間・検者内の信頼性などについて検討した.第3部として,VF画像解析で得られた嚥下動態のイメージをもとに,今度はポータブルエコーを用いて嚥下動態を解析できないか挑戦した.超音波検査装置の扱いから,プローブを用いて口腔・咽頭の解剖学的形態を捉えられるようにしたうえで,舌の厚み計測と咽頭内残留の有無を超音波画像から確認・評価できるかについて実験を行った.