2026 年 32 巻 1 号 p. 52-54
Ⅰ.目的
歯科臨床で広くに行われているグミゼリーを用いた咀嚼能力測定は,測定手法の煩雑さや,保管方法による弾性の変化,糖尿病患者への配慮が必要など,いくつかの問題点がある.一方,我々の研究室では,顎運動に伴って外耳道にひずみ変化が生じることに着目し,耳栓と気圧計を組み合わせた咀嚼回数係数装置を開発した.先行研究において,このセンサーを用いて顎運動に伴う外耳道内の圧変化を記録することで,顎運動や咀嚼能力の評価の可能性が示唆されていた.しかし,個人差のある波形を解析することは困難であった.そこで,人工知能(AI)の支援によってこの課題を解消できないかと考えた.
本研究では,既存の咀嚼能力測定の課題に対応するため,外耳道ひずみを基にしてAIを用いた新しい咀嚼能力評価手法を提案する.