日本顎口腔機能学会雑誌
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画像解析装置を用いた片側全頸部郭清術症例の嚥下機能評価
―舌骨位置および食道入口部開大の解析―
松永 和秀大部 一成大石 正道磯貝 典孝
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2004 年 11 巻 1 号 p. 35-40

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抄録
口腔癌切除後, 二次的に片側全頸部郭清術を施行した5例の嚥下機能評価をおこなった.検査食は液状検査食10ccを使用し, 嚥下機能の評価は術前, 術後1か月目, 術後6か月に行った.評価は, 画像処理解析システム装置を用いて, 安静時の舌骨位置, 嚥下時の舌骨最大挙上位置, 咽頭通過時間および食道入口部最大開口量について解析した.
1.安静時の舌骨位置は術前, 術後とも変化はみられなかった.
2.嚥下時の舌骨最大挙上位置は, 術前, 術後とも変化はみられなかった.
3.嚥下時の咽頭通過時間は, 術前と比較して術後に遅延はみられなかった.
4.嚥下時の食道入口部最大開口量は, 術前と比較して術後に減少はみられなかった.
以上のことから, 片側の顎二腹筋前腹・後腹および肩甲舌骨筋を切除しても, 嚥下時における舌骨運動および食道入口部の開大については低下が認められないことが示唆された.
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