抄録
本研究は既存の事務所建物において消費されるエネルギー量を調査・分析し,省エネルギー診断を行う基礎的な資料,および手法を提案した.各建物においてエネルギー消費量は固有のものであるが,建物の用途によってはある程度共通性がある.本報告は既存事務所建物におけるエネルギーの消費実態調査を基に空調用エネルギー消費量と各年度(1981〜1985年)の気象変動量がどのような関数で表すことができるかを重回帰分析による略算式で示し,この簡易推定判定式を省エネルギーを目的とした各建物のエネルギー管理が容易に行われるための初期診断の基礎資料とした.分析対象とした既存建物の規模は延べ床面積約1700〜39000m^2,平均約7700m^2である.