抄録
流動抵抗低減剤(界面活性剤)を熱輸送媒体へ添加することで,乱流状態の流れを層流化し,管内流れの流動抵抗および熱伝達率が低減することで熱輸送媒体の輸送動力の削減と配管からの熱損失の低減となり,効率的な熱エネルギー輸送システムの展開が可能となる.本研究は,市販の熱交換器やコイル等のように二次流れを伴うなど複雑な配管系を想定した螺旋状コイルでの流動抵抗低減剤添加水の流動抵抗と熱伝達率を測定し,直管の場合に比較して,螺旋コイルの場合は二次流れの効果により,流動抵抗低減効果が減少し,逆に熱伝達率の増加となることが判明した.さらに,得られたデータの無次元整理式の提案も行った.