抄録
博物館は、その時代のニーズに応えながら施設の形や機能を変化させてきた。社会教育の機能とレクリエーション機能とを充実させ、また広範なコミュニケーションの場としての機能も模索しはじめている。本研究では、博物館における設備・維持管理がどのように行われているかについて、47都道府県に設置されている博物館を対象に、設備・維持管理およびそれらに関連した省エネルギー対策、防災・防犯対策、博物館の特徴ともいえる展示・収蔵に関する資料・文化財、くん蒸消毒の頻度・方法、カビ対策、文化財保護の目的による入場制限の実施、照明・空調の配慮、温湿度管理についての15の設問によるアンケート調査を行い、さらにそれらの集計結果を、より信憑性が高い考察を行うため、約1年間かけて調査結果の精査を行った分析結果から、傾向と特徴をまとめた。