人間環境学研究
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論文
幼児による変装した顔の性別判断に及ぼす言語教示の効果
杉村 智子
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2006 年 4 巻 2 号 p. 2_1-2_5

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抄録

従来の研究から、幼児は、顔の内部特徴ではなくて髪型を手がかりにして顔の性別判断を行うために、成人よりも性別判断課題の成績が悪いことが明らかになっている。本研究は、顔の内部に注目させるような言語的教示により、幼児の性別判断課題の成績が向上するかどうかを検討した。5、6歳児を対象として、髪の手がかりを消した顔写真と2種類の髪型で変装をした顔写真を用いた性別判断課題の成績を、2つの条件で比較した。課題で用いた写真は、髪の手がかりを消した男性、短い髪の男性、長い髪の男性、髪の手がかりを消した女性、短い髪の女性、長い髪の女性、それぞれ3枚ずつ、計18枚であった。条件は、性別判断課題の前に、髪型ではなくて顔の内部で性別を判断するように教示を行う教示条件と、性別判断課題のみを行う統制条件であった。結果は、両条件ともに、長い髪の男性、髪の手がかりを消した女性、短い髪の女性の成績が悪く、男性の顔よりも女性の顔の成績が悪かった。また、長い髪の男性においてのみ統制条件より教示条件のほうが成績がよく、他の刺激では2条件間の差はなかった。これらの結果から、幼児期の子どもは、顔の内部の質感の違いに敏感ではないこと、また、顔の内部に注目するという教示を保持しながら同時に髪の情報を無視するというような抑制機能が劣る可能性などが考察された。

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© 2006 人間環境学研究会
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