日本歯科保存学雑誌
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原著
音波歯ブラシ(sonicare® elite)のプラーク除去効果 : ヘッドの大きさの違いによる比較
穂坂 康朗深谷 千絵永井 美和両角 祐子佐藤 聡中川 種昭
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2007 年 50 巻 4 号 p. 440-446

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抄録

今回の研究の目的は,異なる大きさのブラシヘッドを用いた場合の音波歯ブラシ(sonicare® elite)のプラーク除去効果を評価することである.被験者は,齲蝕や修復された歯を認めず,臨床的に健康な歯肉を有する医局員20名とした.被験者は実験開始48時間前よりすべての口腔清掃を中止した.同一被験者において,手用歯ブラシ使用群(MT群),音波歯ブラシのスタンダードブラシ使用群(SB群),音波歯ブラシのミニブラシ使用群(MB群)の3群を設定し,どの群においても刷掃時間をsonicare® eliteの時間規定に基づき2分間として計3回実験を行った.歯肉緑上プラークは,O'Learyのプラークコントロールレコード(PCR)を用いて評価した.プラーク除去率は,PCRスコアの減少率として評価した.その結果,統計学的有意差は認められなかったが,音波歯ブラシのスタンダードブラシとミニブラシの両方が手用歯ブラシよりもプラーク除去率が高かった.またスタンダードブラシとミニブラシでは,統計学的有意差はないもののスタンダードブラシのほうがプラーク除去率が高かった.スタンダードブラシは特に上顎,下顎前歯部および隣接面部においてプラーク除去率が高かった.スタンダードブラシとミニブラシは,上顎大臼歯部において手用歯ブラシよりもプラーク除去率が高かった.これらの結果より,スタンダードブラシとミニブラシの間にはプラーク除去率に有意差は認められなかったが,手用歯ブラシに比較して音波歯ブラシはそのヘッドの大きさにかかわらず高いプラーク除去効果が認められた.

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© 2007 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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