日本歯科保存学雑誌
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原著
ホワイトニング前後における歯質への着色量の変化に関する研究
大前 正範星加 知宏末松 亮西村 綾乃美甘 真穴吹 優佳神谷 絵里子岸本 麻実林 真千子神農 泰生吉山 昌宏
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2007 年 50 巻 6 号 p. 675-680

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抄録

歯に対するホワイトニングの効果は永久的なものではなく,経時的に色が元に戻ってくることが報告されている.そのため,ホワイトニングの効果が長く続くようにホワイトニング直後の着色飲食物の摂取を控えることが推奨されている.また,ホワイトニングを行うと歯面表層が粗糙になることが報告されていることから,ホワイトニング後の歯面は着色飲食物による色調変化が大きくなる可能性がある.そこで,ホワイトニング前後における着色飲食物による色調変化について検討を行った.抜去したヒト上顎切歯をコーヒーにて着色後,ホワイトニング処置を行った.ホワイトニング処置はオフィスホワイトニング処置を1週間ごとに約30分間,ホームホワイトニング処置は毎日3時間,それぞれ3週間行った.色調の測定はホワイトニング前,着色後,ホワイトニング処置時および再着色後に行った.結果として,ホワイトニング前および着色後の色差に比べ,ホワイトニング後および再着色後の色差は有意に低い値を示した.すなわち,ホワイトニングを行った歯はホワイトニングを行う前よりも着色されにくいことが示された.

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© 2007 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
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