歯科医学
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徐放化骨形成因子を用いた顎裂閉鎖術に関する実験的研究
北郷 理恵西浦 亜紀松本 尚之
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2008 年 71 巻 3_4 号 p. 201-209

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抄録

現在,唇顎口蓋裂患者に対する顎裂閉鎖術には新鮮自家骨が移植材料として頻用されている.しかし,自家骨を用いる際に生じる外科的侵襲や採取量の制限などの問題がある.本研究ではこれらの問題を解決するために,自家骨に代わる移植材料の開発を目的として,ゼラチンハイドロゲルによる骨形成因子(BMP)の徐放化技術を用いた顎裂部の骨再生の検討を行った.家兎の上顎骨に作製した人工的顎裂部にBMP-2含浸ゼラチンハイドロゲル(BMP-2徐放群),PBS含浸ゼラチンハイドロゲルあるいはBMP-2水溶液を填塞した.さらに非埋入群も作製し,術後4週における骨形成能を検討した.X線学的,組織学的および組織形態学的検索の結果,BMP-2徐放群は他の群に比べて旺盛な骨形成が確認された.以上の結果より,徐放化BMP-2による手法は顎裂閉鎖術において自家骨に代わる移植材料となりうると考えられた.

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© 2008 大阪歯科学会
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