1986 年 59 巻 7 号 p. 398-403
プラズマ処理によるカーボンブラックの酸化反応機構に関する知見を得るために, 原子状酸素の生成が容易な亜酸化窒素や酸素の活性種を含むプラズマ活性化酸素によるカーボンブラックの低温プラズマ処理について検討した。また, マクロード真空計の水銀蒸気の処理におよぼす影響についても調べた。
水分散性の良好なカーボンブラヅクを得るには, 酸素の活性種の生成を極力少なくし, 試料表面に生成したラジカル活性点と酸素分子との反応が多くなるような処理条件で処理するほど好ましいことがわかった。これらの結果は, カーボンブラックのプラズマ酸化反応が, 主として, ラジカル自動酸化反応によって進行するというこれまでの結論を支持しているといえる。また, 水銀蒸気は, プラズマ中の原子状酸素を捕獲し, 試料の分解を抑制する作用を持つことがわかった。