1987 年 60 巻 11 号 p. 597-602
二液型ウレタン塗料におけるカルボン酸およびジブチルスズジラウレート (DBTDL) の触媒効果について検討した。
塗膜状態でのアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット化合物との硬化反応は2次式に従い, 反応速度定数の温度依存性はアレニウス式に従った。樹脂カルボン酸の反応速度への寄与は大きく, イソシアネート基に対する強い触媒作用が明らかとなった。一方, カルボン酸を含有しない系にDBTDLを添加すると著しい触媒効果を示すが, カルボン酸を含有する系では, その添加量に対する反応速度の増加は少なく, 両触媒を併用した時の相乗効果はわずかなものであった。