色材協会誌
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PVD法による単分散銅フタロシアニンブルーの調製
井原 辰彦伊藤 征司郎鈴木 充木卜 光夫
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1987 年 60 巻 11 号 p. 603-606

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抄録

PVDによって昇華性の銅フタロシアニンブルーを球状の単分散ポリスチレン表面に複覆する手法で単分散銅フタロシアニン顔料の調製を試みた。
その結果, ポリスチレン表面への銅フタロシアニンの析出は, 窒素流量および処理容器内の圧力の影響を受け, 窒素流量を10ml/min以下とした場合は, 比較的高い圧力 (2 Torr~2.5 Torr 程度) 下で処理した方が析出しやすく, 20ml/minとした場合は, 1.5 Torr程度の比較的低圧力下で処理した方が析出しやすかった。SEMの観察結果より, 銅フタロシアニン蒸気は, 昇華ヒーターからの熱によって適度に溶融状態となったポリスチレン表面に取り込まれながら結晶成長し, 複合化したものと推察した。

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