神経眼科
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臨床と研究の接点
プリーのMRI画像所見―LR-SRバンド異常とSagging Eye Syndromeとの関係
河野 玲華
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2015 年 32 巻 3 号 p. 291-295

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抄録
眼球赤道部をリング状に取り囲むコラーゲンを主体とする眼窩結合組織(これを眼窩プリーと称す,以下プリーと略)は,外眼筋の走行を安定させ,かつ外眼筋の起始部として機能的な役割を担う.とくに密なコラーゲンを主体とする厚みが2~2.5 mmの外直筋と上直筋との間のプリー組織(LR-SRバンドと略)の形態と眼位との関係が注目されている.LR-SRバンドに加えて外直筋のプリー組織も加齢の影響を受けやすく,LR-SRバンドの菲薄化,伸展,断裂,さらに外直筋プリーの下垂が眼位異常を生じさせる可能性が指摘されている.なかでも,sagging eye syndromeと称されるタイプの眼位異常ではbaggy eyelid,superior sulcus deformity,腱膜性眼瞼下垂などの外眼部異常も随伴するのが特徴である.
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© 2015 日本神経眼科学会
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