神経眼科
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症例報告
視神経鞘髄膜腫に対し強度変調放射線治療を施行した神経線維腫症2型の一例
松野 裕樹山田 裕子井上 結香子金森 章泰中村 誠
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2017 年 34 巻 4 号 p. 449-454

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抄録

小児の神経線維腫症2型(NF2)に合併した視神経鞘髄膜腫に対し,強度変調放射線治療(IMRT)を施行した一例を報告する.症例は12歳女児.結膜炎で近医受診した際に,右視神経乳頭腫脹を指摘された.矯正視力は左右とも1.5で,Goldmann視野検査(GP)で右眼マリオット盲点の拡大を認めた.頭部造影MRIで,右視神経鞘髄膜腫,両聴神経鞘腫が疑われ,NF2と診断された.6か月後に右眼GPが悪化し,IMRTに至った.視神経乳頭腫脹は改善し,治療1年6か月後も,視力やGPの悪化を認めない.視神経萎縮進行の有無や晩期合併症に注意を要するが,小児NF2に伴う視神経鞘髄膜腫に対しIMRTは短期的に有効と考えられた.

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© 2017 日本神経眼科学会
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