神経眼科
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症例報告
MRI, MRAにて描出されず脳血管造影で診断がついた海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の一例
三好 由希子澤村 裕正小泉 聡相原 一
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2022 年 39 巻 1 号 p. 46-52

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抄録

 動静脈瘻とは動脈と静脈の異常な交通であり発症部位により幅広い臨床症状を呈する.診断はMRI,MRAにより行うことが一般的だが,今回脳血管造影のみ陽性所見で診断に至った海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を経験したので報告する.症例は69歳,女性,初期症状は頭痛でその後右眼の充血,眼球突出を呈した.近医にて動静脈瘻が疑われMRI,MRAが施行されたが外眼筋腫大のみの所見であり外眼筋炎として加療されたものの改善乏しく当院紹介受診となった.当院初診時右眼RAPD陽性,結膜血管の拡張蛇行,眼球突出,眼球運動障害,眼底出血を認めた.造影MRI,MRAにて動静脈瘻は指摘されず外眼筋腫脹,眼球突出から特発性眼窩炎症による圧迫性視神経症が疑われステロイドパルス療法が施行された.所見の改善乏しく,再度の単純MRI,MRAでも動静脈瘻は描出されなかった.しかし症状や眼所見から動静脈瘻が疑われ,脳血管造影にて右海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の診断に至った.血管内コイル塞栓術施行後すみやかに自覚症状,眼所見が改善した.眼科医が動静脈瘻を疑った際には脳血管造影でのみ病変部の検出が可能な症例があることを念頭におき,脳血管外科と連携し脳血管造影を積極的に検討すべきであると考えられた.

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© 2022 日本神経眼科学会
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