心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第22回 臨床不整脈研究会
有意なQT短縮を認め, 心室細動から蘇生した1例
若月 大輔東 祐圭田辺 彩夏山谷 清香前澤 秀之森 敬善本田 雄気礒 良崇下島 桐清水 信行浅野 冬樹佐藤 督忠江波戸 美緒鈴木 洋嶽山 陽一
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_184-S4_189

詳細
抄録
症例は36歳, 男性. 心突然死の家族歴はない. 自宅で就寝中に突然うなり声をあげ, その後, 心肺停止をしているところを家人が発見した. 救急車内でのモニター心電図は心室細動であり, DCを3回施行され心拍再開し, 当院へ搬送された. 入院後, 心エコー, 心臓カテーテル検査を施行するが異常所見なく, 運動負荷, イソプロテレノール負荷でも不整脈は誘発されなかった. 第14病日の心電図でQTcは320msと短縮していた. 電気生理学的検査では, プログラム刺激で心室細動が誘発された. 心電図のTpeak-Tend(Tp-Te)は120msと延長していた. 加算平均心電図で遅延電位(LP)は陽性で, 再現性を認めた. ニフェカラント静注試験(0.3mg/kg)ではQTcの延長(430ms)を認めたがTp-Teも延長した. キニジン内服でもQTc延長(430ms)を認めたがTp-Teは短縮した. 本症例は自然発症の心室細動であり, 有意なQT短縮を認め, QT短縮症候群の特徴を有する特発性心室細動の症例と考えられたので, 報告する.
著者関連情報
© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top