心臓
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第20回 体表心臓微小電位研究会
洞不全症候群における星状神経節への低出力半導体レーザー照射の予後
笠巻 祐二出口 朋子田中 健次石川 博久石川 博敏塚本 剛田野 絢子太田 昌克中井 俊子渡辺 一郎平山 篤志小沢 友紀雄吉田 健一市場 雅美各務 康二
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2011 年 43 巻 SUPPL.1 号 p. S1_11

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抄録
[背景] 以前われわれは, 低出力半導体レーザー治療(LLT)が洞不全症候群(SSS)症例において心拍数増加作用を有することを報告した.
[目的] LLTが心拍数に及ぼす影響がどの程度, 持続するかを明らかにすること.
[方法] SSS7症例を対象とし, 波長830nm, 出力70mWの半導体レーザーを用い, C6またはC7頸椎の横突起部にプローブ先端をやや圧迫気味にあててレーザー照射を施行. 照射時間は15秒に設定, 5分間/片側で両側に照射を行った. 2回/週, 4~6週間施行し, LLT前後でホルター心電図による総心拍数, 最大, 最小, 平均心拍数, 最大RR間隔, P波加算平均心電図によるfiltered P波からearly potential(EP20)を比較した.
[結果] 急性期7症例中5例で心拍数の増加が認められたが, 2例は不変であった. 心拍数増加が認められた5例ではいずれもEP20の値は増大傾向を認めた. LLT1年後にホルター心電図による諸指標を検討した結果, 5例全例で急性期の結果と有意な差は認めなかった.
[結語] LLTはSSS症例において1年後においても心拍数増加作用を維持していた. LLTは安全に施行できるため, 新たな治療法の1つになる可能性がある.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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