心臓
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第20回 体表心臓微小電位研究会
Wavelet変換心電図を用いたBrugada症候群の検出
Brugada型心電図のリスク層別化の試み
植竹 俊介小原 俊彦村田 広茂淀川 顕司高山 英男宮内 靖史加藤 貴雄水野 杏一
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2011 年 43 巻 SUPPL.1 号 p. S1_3

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抄録
[背景] Brugada型心電図のリスク層別化には, 有効な方法がない. 近年, 心電図の時間周波数解析の有用性が報告されており, Brugada症候群検出における有用性を評価した.
[方法] 対象はBrugada型心電図と診断された18例(女性: 1, 45±20歳). 高分解能心電計(sampling, 10kHz)を用いて, V1, V2誘導の通常肋間と上位肋間(第2, 3肋間)の計6誘導を同時記録. Wavelet変換(Gabor関数)を用いて, QRS波後方の周波数成分(40-200Hz)を評価した.
[結果] 検査時にTypeを示した3例を含め6例(すべて男性)がBrugada症候群と診断され(BS群), 残り12例(女性: 1, Type II=8, Type III=4)はBrugada症候群の診断基準を満たさなかった(非BS群). BS群では, 非BS群に比べ高周波数成分(80Hz以上)のパワー値が増高する傾向にあり, 高周波数成分の増高が認められる誘導数(6誘導中)が有意に多かった(4±1.4 vs 1.33±1.2, p<0.05).
[結語] 異常高周波数成分を検出することで, Brugada型心電図のリスク層別化に有用である可能性が示唆された.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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