心臓
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第23回 臨床不整脈研究会
心臓再同期療法と房室ブロック作成術後に多発し, ペーシング率低下の原因となったHis束近傍起源の心室性期外収縮に対し, 高周波カテーテルアブレーションを行った慢性心房細動, 拡張型心筋症の1例
坂部 茂俊笠井 篤信森 一樹森脇 啓至杉本 匡史堀口 昌秀高村 武志河村 晃弘世古 哲哉
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2011 年 43 巻 SUPPL.3 号 p. S3_184-S3_190

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抄録
症例は, 70歳代, 女性. 他院で心不全と診断され治療を受けていたが, 2009年秋, 当科にうっ血性心不全で入院した. 慢性心房細動で, 心エコー図上, 左室壁運動は, び漫性に低下しLVDd 73mm, LVDs 66mm, EF 0.2, MR3度, AR1度だった. 冠動脈造影検査で有意狭窄はなかった. 1カ月, 3カ月後にも心不全入院あり, CRT+房室結節アブレーションを選択した. 治療は奏功したが2カ月に再度入院した. このときVPCが1日25,000発以上ありペーシング率低下が心不全の原因であると考えられた. ほとんどが左軸偏位, 左脚ブロック型のもので, 安静と利尿により心不全が改善した後も同頻度だった. このため, VPCに対する高周波カテーテルアブレーションを行った. VPCの最早期興奮部位は右室のHis束近傍にあり, この部位の1回の通電で完全に消失した.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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