心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第23回 臨床不整脈研究会
アミオダロン静注により心室頻拍は徐拍化したが再発予防に無効で, アミオダロン経口薬とソタロールの併用が再発予防に有効であった拡張型心筋症の1例
川崎 志郎河村 光晴宗次 裕美菊地 美和横田 裕哉伊藤 啓之三好 史人浅野 拓丹野 郁小林 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 43 巻 SUPPL.3 号 p. S3_191-S3_196

詳細
抄録
症例は53歳, 男性. 主訴ふらつき感. 2002年拡張型心筋症と診断. 2010年7月28日にふらつき, めまい感を自覚し, 当院受診. 心電図上心拍数130/分の右脚ブロック+北西軸タイプの心室頻拍(VT)であった. 心エコーではLVEF 31%で左室心尖部に血栓を認めた. VTは停止と再発を繰り返しアミオダロンの点滴を施行したところVTは徐拍化したが, ニフェカラント投与後VTは抑制された. 8月12日植込み型除細動器(ICD)植え込み. 8月15日からVT再発し, アミオダロン, ニフェカラント併用したが, VT停止せず, 鎮静によりVTは停止した. 入院時より, アミオダロン内服していたが. 8月18日からソタロール開始. 9月上旬からVT出現の頻度は減少し血行動態が維持できるslow VTになり, 自然停止を認めるようになった. アミオダロンとソタロールの併用で難治性のVTがコントロールできた症例を経験したため報告する.
著者関連情報
© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top