抄録
症例は53歳, 男性. 主訴ふらつき感. 2002年拡張型心筋症と診断. 2010年7月28日にふらつき, めまい感を自覚し, 当院受診. 心電図上心拍数130/分の右脚ブロック+北西軸タイプの心室頻拍(VT)であった. 心エコーではLVEF 31%で左室心尖部に血栓を認めた. VTは停止と再発を繰り返しアミオダロンの点滴を施行したところVTは徐拍化したが, ニフェカラント投与後VTは抑制された. 8月12日植込み型除細動器(ICD)植え込み. 8月15日からVT再発し, アミオダロン, ニフェカラント併用したが, VT停止せず, 鎮静によりVTは停止した. 入院時より, アミオダロン内服していたが. 8月18日からソタロール開始. 9月上旬からVT出現の頻度は減少し血行動態が維持できるslow VTになり, 自然停止を認めるようになった. アミオダロンとソタロールの併用で難治性のVTがコントロールできた症例を経験したため報告する.