心臓
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第23回 臨床不整脈研究会
低電位領域を認めない左室瘤内に心室頻拍の必須緩徐伝導路を認めた心サルコイドーシスの1例
前田 真吾山内 康照岡田 寛之田尾 進川崎 まり子鈴木 雅仁原 信博鍵山 暢之渡部 真吾服部 英二郎宮本 貴庸尾林 徹磯部 光章
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2011 年 43 巻 SUPPL.3 号 p. S3_206-S3_212

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抄録
症例は80歳, 女性. 肺サルコイドーシスの診断で通院中であった. 1985年完全房室ブロックを認め, ペースメーカー植え込み術を施行. 2005年12月血行動態不安定な心室頻拍(VT)による失神で入院し, 2006年1月植込み型除細動器(ICD)移植術を施行した. その後は安定していたが, 2010年4月にVTによるICD頻回作動を認めたため, アブレーション目的で入院となった. 左室造影検査では左室下壁基部に心室瘤を認め, EFは40%であった. 電気生理学的検査を行ったところ, 右室心尖部からの2発期外刺激で再現性をもって単型性VTが誘発された. CARTO voltage mappingでは左室瘤内を含め, 左室内には低電位領域は認めなかった. しかし, 洞調率時, 左室瘤内ではfractionated delayed potential(FDP)を認め, さらに心室プログラム刺激では局所心室電位とFDP時間が突然延長した際にVTが誘発された. このFDPはVT時には, late systolic potentialとmid diastolic potentialへ分離し, この左室瘤内でのペーシングでconcealed entrainment現象を認め, DP-QRS時間とS-QRS時間は一致した. VT中に心室瘤内で通電を開始し, 4秒でVTは停止した. 心室瘤内を縦断し僧帽弁輪まで線状焼灼し, いかなるVTの誘発も不能となった. 限局した左室瘤内に必須緩徐伝導路を認めた心サルコイドーシスに伴うVTを経験したので報告する.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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