2012 年 44 巻 1 号 p. 88-92
症例は76歳, 女性. 一過性の意識レベル低下を主訴に来院した. 心臓超音波検査上著明な心室中隔基部肥厚, 左室流出路最大圧較差193mmHgと閉塞性肥大型心筋症の所見を認めた. 外来でシベンゾリンおよびβ遮断薬の内服投与を開始したが, 症状増悪をきたし当院へ救急搬送された. 入院後検査でインスリノーマを合併していることが判明し, 低血糖をきたす上記薬は使用できない状態であった. しかし, 胸痛および心不全症状の増悪をきたすようになったため, インターベンションが必要となった. 今回, 経皮的中隔心筋焼灼術を行い速やかに圧較差の改善を認めた.