2012 年 44 巻 SUPPL.1 号 p. S1_30
広く行われている心室遅延電位を知る手法は,QRS区間終末部を解析しているに過ぎず,QRS区間内の高周波成分に関しては十分な検討が不可能であった.われわれはQRS区間内のサブストラクションフィルタを用い低周波成分を遮断し,160Hz以上の周波数領域の非加算による高周波解析を行ってきた.健常人・Brugada症候群・心筋梗塞患者を対象とし解析を行い,さらに.時間-周波数分解能にすぐれたWavelet解析法を用いてその分析を行った.得られた結果を比較検討し,健常人・Brugada症候群・心筋梗塞患者ではQRS区間内高周波成分に差異を認めた.それぞれのQRS区間内高周波成分の特徴的な所見を報告してきた.われわれの考案した方法は,QRS区間内すべての高周波成分の検討が可能であり,非常に有用であると考え報告する.