心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第24回 心臓性急死研究会
慢性心不全患者における早期再分極と突然死についての検討
古川 善郎山田 貴久森田 孝田中 耕史岩崎 祐介川崎 真佐登蔵本 勇希内藤 尚藤本 忠男小津 賢太郎近藤 匠巳仙石 薫子山本 泰士福並 正剛
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 44 巻 SUPPL.2 号 p. S2_158

詳細
抄録

背景:近年,健康成人における下壁誘導,側壁誘導の早期再分極(ER)は突然死と関係するとの報告が散見される.しかし,慢性心不全(CHF)患者における報告は少ない.
目的:CHF患者の突然死とERの関係を明らかにする.
方法:対象は左室駆出率40%以下で脚ブロックを呈さないCHF患者91例.標準12誘導心電図にて0.1mV以上のERを認めた15例(ER群;男性13例,66.2±8.0歳)と認めない76例(N群;男性58例,61.8±13.7歳)の2群で,突然死の発生を前向きに検討した.
結果:平均観察期間6.7年で20例が突然死した.ER群はN群に比して有意に多く突然死した(46% vs 17%,p<0.05).Cox回帰分析では有意にER群が突然死と関係していた(p<0.01,CI;1.35-8.79).
結語:慢性心不全患者における早期再分極は突然死の予測因子となり得る.

著者関連情報
© 2012 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事
feedback
Top