心臓
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症例
サラセミアを合併した僧帽弁閉鎖不全症の治療経験
岩朝静子久米悠太Yuta KumeKey wordsNobuhiro UmeharaHiroyuki TsukuiSatoshi SaitoKotaro AraiKyomi AshiharaNobuhisa HagiwaraKenji Yamazaki
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2013 年 45 巻 7 号 p. 806-810

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抄録
症例は,54歳,女性.2004年に胸痛・労作時呼吸苦を認めたため他院を受診し,手術適応の弁膜症と診断されるも自己中断した.その後自覚症状が増悪し,精査にて後尖に疣贅を伴う僧帽弁閉鎖不全と判明したため,待機的手術の適応となる.ほかの合併症として,血液検査にて汎血球減少とサラセミアを認めた.手術時の所見は,術前のエコーどおり後尖P3領域の疣贅に加え,前尖も炎症性変化をきたしていた.こちらに対して弁形成を施行し,出血傾向を認めたが,輸血療法のみで対応でき,その後は問題なく経過した.サラセミアを合併した弁膜症に,感染性心内膜炎も合併した症例報告はごく少数であり,若干の文献的考察を交えて報告する.
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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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