心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第25回 心臓性急死研究会
無症候性心室細動をホームモニタリングによって早期発見できたBrugada症候群の 2例
松岡 宏治福岡 秀介宮村 有紀子泉 大介坂井 正孝幸治 隆文野田 英毅倉田 直哉岩田 悠一宮原 眞敏
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 45 巻 SUPPL.2 号 p. S2_3-S2_7

詳細
抄録

 症例 1は37歳, 男性. 内科医師. 2009年11月ゴルフ中に心肺停止をきたした. 自動体外式除細動器 (AED) にて心室細動 (VF) と診断され除細動 (DC) して洞調律に回復した. 後日植込み型除細動器 (ICD) を植え込んだ. 2011年 2月初旬に 2回のVFイベントがあり, そのうち 1回はICD作動したことがホームモニタリング (HM) で確認された. イベント発生時はスキー中であったが, ICD作動も含めて明らかな自覚はなかった. その後, しばらくはICD作動無く経過していたが, 同年12月下旬に再度VFイベントによるICD作動があり, 1回のショック治療でVFは停止していたことがHMで確認できた. 今回もスキー中であったが, 前回と同様, イベント発生時は明らかな自覚症状はなく, ICDが作動していたことも自覚していなかった. 症例 2は32歳, 男性. 2009年6月飲酒後に痙攣発作あり救急受診, VFを認めたため, DCを施行するも, 洞調律⇔VFの状態を繰り返した (計 7回DC施行) . 後日ICDを植え込んだ. 2011年 9月下旬にVFイベントがあり, ICD作動したことがHMで確認された. イベント発生時は夕食後にビール350mL× 3本飲んでテレビを観ていたが, ICDの作動も含めて明らかな自覚はなかった. 無症候性で, かつICD作動の自覚もなかったVFを早期発見し, さらにはVFをきたす引き金になった行動を発見することができた症例を経験した.

著者関連情報
© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top