2013 年 45 巻 SUPPL.2 号 p. S2_37-S2_43
60歳, 男性. 胸痛発作にて冠動脈造影を施行, 冠攣縮性狭心症と診断し内服治療の方針とした. しかし, その後も胸痛発作を繰り返す治療抵抗性の症例であり, 攣縮を生じた血管へのベアメタルステント留置を行った. しかし, その後心室細動を発症. 救命し得たが, 多枝攣縮が原因のため, さらに, ステント留置を繰り返すこととなった. その結果, 胸痛発作は消失したが, 広範なステント内再狭窄を生じることとなり, 狭窄解除のための再々のカテーテル治療が必要となった. 難治性の冠攣縮に対するカテーテル治療の問題点を提起する症例であり報告する.