心臓
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一般演題
心房中隔欠損症術後, 心室性期外収縮に伴う心不全を発症し, カテーテルアブレーションにより改善した幼児例
趙 麻未住友 直方加藤 雅崇渡邉 拓史小森 暁子阿部 百合子神山 浩鮎沢 衛高橋 昌里三澤 正弘大塚 正弘
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2014 年 46 巻 SUPPL.3 号 p. S3_253-S3_257

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抄録

 5歳, 女児. 生後1カ月で心房中隔欠損症 (ASD) と診断され, 生後6カ月時に心室性期外収縮 (PVC) を指摘された. ASDのパッチ閉鎖術 (2歳10カ月) 後, PVCによる心不全と診断され, 3歳11カ月からflecainide, 4歳からmetoprolol内服を追加した. 4歳9カ月から内服をメキシレチン, メトプロロールに変更されたが心拡大, 心機能低下, 軽度BNP上昇 (56.1pg/mL) を認め, 抗不整脈薬で改善を認めないためカテーテルアブレーション目的に入院した. 心電図では, RBBBパターン, QRS電気軸100°のPVCを認める. CXRでCTR 0.56, 心エコーで心室中隔の動きは悪く, EF 48%, 右房・右室, 肺動脈の著明な拡大を認めた. activation mapおよびpace mappingにより左室側壁を起源とするPVCと考えられ, 通電によりPVCは消失した. 術後約7カ月でBNP<5.8pg/mL, CTR 0.56, EF 79%と改善した. PVCに伴う心不全を発症した稀な幼児例と考えられ, 文献的考察を含め報告する.

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© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
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