心臓
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一般演題
心室性期外収縮の基質となったIsolated delayed componentに対してアブレーションを行った不整脈原生右室心筋症の1例
大野 誠吉賀 康裕上山 剛福田 昌和加藤 孝佳文本 朋子清水 昭彦矢野 雅文
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2014 年 46 巻 SUPPL.3 号 p. S3_247-S3_252

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抄録

 症例は36歳男性. 28歳時に拡張型心筋症と診断されていた. 2013年7月に眼前暗黒感を伴う前失神発作が出現するようになり, 心電図で心室頻拍 (VT ; 左脚ブロック+左軸偏位) を認めた. アミオダロン点滴によりVTは抑制されたが, 心室性期外収縮 (PVC) が頻発していた. 心エコー・MRI上右心系優位の著明な心拡大と収縮不全を認め, 心電図にて右側胸部誘導の再分極異常等の所見を認めたことから不整脈原生右室心筋症と診断した. アミオダロン投与下でカテーテルアブレーションを施行, 洞調律中にvoltage mapを作成したところ右室流入路側壁から下壁にかけて低電位領域を認めた. 検査中VTが誘発されなかったことからclinical VTと同一波形のPVCを標的にペースマッピングを行ったところ右室側壁低電位領域内のisolated delayed componentを認める部位でペースマッピングが良好であった. 同領域を中心に, さらに低電位領域を横断して三尖弁輪まで線状焼灼を行った. 術後PVCは著明に抑制され, VTの再発はみられてない.

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© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
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