心臓
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特別講演
冠攣縮性狭心症における突然死の診断・予知・治療
西﨑 光弘
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2014 年 46 巻 SUPPL.3 号 p. S3_5-S3_13

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抄録

 冠攣縮性狭心症患者においては, 院外心肺停止や突然死の主たる原因が心筋虚血発作時に出現する致死的心室性不整脈であることが示されている. 致死的心室性不整脈の予知やリスク評価には冠攣縮発作時と無症候状態における不整脈の発生基質を明らかにすることが重要であり, TWA, J波, QT dispersionによる非侵襲的検査および電気生理学的検査上のVT, VFの誘発性を検討することが有用である. 治療としては, 原則的にCa拮抗薬による内服治療であるが, 突然死の二次予防にICD治療が有効である報告も散見される. 冠攣縮発作に併発するVFが再発する薬物抵抗性の場合や冠攣縮発作に併発するVFを認め, 薬物投与が認容されない場合はICD治療も考慮されるべきである. 一方, VFの初発例の場合は, 発症時の薬物投与の有無や不整脈発生基質を十分に検討し, ICDの適応を慎重に決めていくことが必要である.

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