2015 年 47 巻 11 号 p. 1326-1329
症例は88歳の女性. 胸部不快感と嘔気が出現し改善しないため, 翌日, 近医を受診. 聴診にて収縮期雑音と心電図上前胸部誘導にてST上昇を認めたため, 急性心筋梗塞による心室中隔穿孔疑いにて当院に搬送された. 心エコーにて心室中隔の心尖部寄りに約15mmの欠損孔を認めたため, IABPを挿入し緊急冠動脈造影を施行. 冠動脈には有意狭窄は認めず, 手術はKomeda-David法にて行った. 冠動脈病変を認めず, スパズムが原因と考えられた心室中隔穿孔の1手術例を経験した. 心室中隔穿孔に対するKomeda-David法は, 高齢や急性期であっても早期手術が有効と考えられた.