心臓
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第27回 心臓性急死研究会
心肺停止蘇生後に診断に至った不整脈源性右室心筋症 (ARVC) の1例
嘉澤 脩一郎矢崎 義直冨士田 康宏朴 有紀寳田 顕五関 善成冨山 博史近森 大志郎山科 章
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2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_12-S1_18

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抄録

 症例は50歳代の女性. 2007年健診にて心電図 (ECG) 異常を指摘された. 心臓超音波検査 (UCG) では, 中等度~重度の三尖弁閉鎖不全と右心系の拡大を認めた. 症状は労作と関係のない軽い息切れを時々認めるのみで, 年1回のUCGにて経過観察されていた. 2014年エアロビ中に突然心肺停止となった. ECG, UCGでは右室負荷所見を認めたが, 造影CTにて肺動脈血栓塞栓症は否定的であった. 上記所見に加え, 突然の心室細動を起こした症例であり, 不整脈源性右室心筋症 (ARVC) が疑われた. 心筋生検病理像にて心筋組織に混在した脂肪組織を認め, ARVCの診断に至った. ARVCは症状が乏しく早期診断が困難な場合もあり, 初発症状が心室細動の1例を経験したので報告する.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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