心臓
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第27回 心臓性急死研究会
心室細動を初発症状とした心アミロイドーシスの1例
小野 環森田 宏木村 朋生時岡 浩二中川 晃志西井 伸洋永瀬 聡中村 一文伊藤 浩田中 健大柳井 広之安藤 翠由谷 親夫
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2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_33-S1_37

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抄録

 症例は79歳男性. 間質性肺炎加療中にステロイド精神病を発症し, 加療中に心室細動 (VF) となり自動体外式除細動器で蘇生された. 近医で冠動脈疾患は否定され, 完全右脚ブロックおよび軽度の左室肥大以外, 明らかな基礎疾患を認めず, 特発性VFなどが考えられた. 本人の精査希望なく, その後経過観察となっていたが, 経過中に心室頻拍を認めたため, 不整脈の原因精査目的に当科入院となった. 入院時の心電図で完全右脚ブロックを認めた. 電気生理学的検査で心室内に広範な低電位帯を認めたが, VFは誘発されなかった. 心筋生検でアミロイド沈着が認められ, 免疫染色からAAアミロイドーシスと診断された. 心アミロイドーシスによる心室細動と診断し, 植込み型除細動器植え込みを行った. 通常, 心アミロイドーシスは著明な心肥大や心不全により診断されるが, 今回, 心室細動を契機として診断された心アミロイドーシスの1例を経験したので, 若干の考察を加え報告する.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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