心臓
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第28回 心臓性急死研究会
たこつぼ型心筋症の急性期に心破裂をきたした1剖検例
伯井 秀行山田 貴久森田 孝古川 善郎玉置 俊介岩崎 祐介川﨑 真佐登菊池 篤志近藤 匠巳石見 成史尾崎 立尚佐藤 嘉洋瀬尾 昌裕池田 依代福原 英二福並 正剛伏見 博彰
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2016 年 48 巻 SUPPL.1 号 p. S1_98

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抄録

 症例は90歳女性. 全身倦怠感を主訴に近医を受診. 心電図にてV2-4誘導のST上昇および血液検査にて心筋逸脱酵素の上昇を認めたため急性心筋梗塞疑いとして当院へ救急搬送された. 緊急冠動脈造影検査を施行したが有意な冠動脈狭窄を認めなかった. また併せて施行した左室造影所見からたこつぼ型心筋症と診断し緊急入院とした. しかし, 入院第4病日に突然心肺停止となった. 心肺停止時の心エコー検査にて心嚢液貯留を認めたため, たこつぼ型心筋症による心破裂と診断した. そして死亡後に病理解剖を行った. 今回我々は, たこつぼ型心筋症に心破裂をきたした症例を経験したので, 破裂部位を含めた心筋病理像の検討および文献的考察を加えて報告する.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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