心臓
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第28回 臨床不整脈研究会
心室期外収縮に同期したCARTO SOUND®ジオメトリ作成がアブレーションに有用であった1例
三好 史人菊地 美和古屋 貴宏佐藤 千聡西蔵 天人池田 尚子若林 公平土至田 勉丹野 郁
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2016 年 48 巻 SUPPL.2 号 p. S2_136-S2_141

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抄録

36歳,女性.主訴は動悸.心電図で左脚ブロック-下方軸型の頻発する心室期外収縮(PVC)/非持続性心室頻拍を認めた.CARTO SOUND®を用いて,PVC出現時の右室流出路(RVOT)および大動脈冠尖の詳細なジオメトリ(Sound Map)を作成し,CARTO SOUND®ガイド下にPVCマッピングを施行した.RVOTのマッピングでは,後中隔領域でPVCに24ms先行する最早期興奮を認めたが,pace mapは一致せず(PaSo® 0.59),通電でもPVCは消失しなかった.冠尖のマッピングでは明瞭な先行電位は得られなかったが,RVOT最早期興奮部位の対側にあたる大動脈左冠尖(LCC)と右冠尖(RCC)の接合部領域において,PVCに41ms先行する早期興奮を認め,同部位の通電でPVCは完全に消失した.CARTO SOUND®を用いたPVCマッピングでは,PVCの時相にあわせた解剖学的位置情報を正確に反映することが可能であり,アブレーションにおける有用性が示唆された.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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