心臓
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第28回 臨床不整脈研究会
両側の心室中隔に起源を有した,陳旧性心筋梗塞に合併した心室期外収縮の1例
安達 亨横山 泰廣木全 啓小宮山 伸之丹羽 公一郎野上 昭彦青沼 和隆
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キーワード: 心室期外収縮, 心室中隔
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2016 年 48 巻 SUPPL.2 号 p. S2_142-S2_147

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抄録

症例は69歳男性.前壁心筋梗塞に対してステント留置術後,薬剤加療中に動悸を伴う心室期外収縮(Ventricular Premature Complex, VPC)が認められ,カテーテルアブレーションを施行した.VPCは右脚ブロック型かつ上方軸で胸部誘導の移行帯はV1であった(VPC1).左室心内膜側で大動脈弁直下,His束直上の左側心室中隔でVPC1に34ms先行かつ良好なpacemapが得られ,VPC1の起源と判断しアブレーションを施行,VPC1は消失した.薬剤で誘発を行うと左脚ブロック型かつ下方軸で胸部誘導の移行帯はV2と,VPC1と異なるVPC2が認められた.右室心内膜側で,VPC1に対するアブレーション部位とちょうど対側に当たる右側心室中隔でVPC2に24ms先行かつ波形が完全に一致するpacemapが得られ,VPC2の起源と判断しアブレーションを施行,VPC2は消失した.心室中隔起源のVPCでは両心室に起源を有し両心室からのアブレーションを要することがあり,画像的考察を含め報告する.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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