2017 年 49 巻 SUPPL.1 号 p. S1_69-S1_75
症例は既往歴,家族歴のない32歳男性.深夜入眠中に心室細動を発症し,bystanderCPRが施され当院搬送となった.搬送中AED7回施行されたが,心室細動は持続しており,アミオダロン300mg投与後にVA-ECMO,IABPを駆動した.自己心拍再開後は完全左脚ブロックを呈し,非持続性心室頻拍が頻発した.心エコーでは,左室拡張末期径67mmと拡大し,EF18%の低心機能および,jenniの左室心筋緻密化障害の基準を満たした.経過中にヘパリン起因性血小板減少症による肺塞栓を発症し,治療に難渋したが,CRTD植込み術を施行し,高次機能障害なく社会復帰した.
生来健康であったが,突然の心室細動にて判明した心筋緻密化障害の成人例を経験したため,文献的考察も含め報告する.