心臓
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[症例]
失神を契機に成人期にNoonan症候群と診断された1例
髙田 卓磨村上 正人西本 隆史森山 典晃飛田 一樹宍戸 晃基水野 真吾山中 太田中 穣高橋 佐枝子齋藤 滋
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2018 年 50 巻 10 号 p. 1145-1150

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抄録

 症例は47歳男性.痙攣を伴う一過性意識消失のため前医へ救急搬送.脳波,頭部MRI検査からてんかん発作は否定的であり,心エコー検査所見から肥大型心筋症が疑われ植込み型除細動器(以下ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator)留置術目的に紹介となった.身長136.9 cm(-6.0SD),典型的な顔貌(臨床奇形診断学に習熟した専門医の診察),鳩胸を認め確実なNoonan症候群と診断した.冠動脈に有意狭窄を認めず,核医学検査では心室中隔の集積増強,心筋生検では高度の心筋細胞肥大と錯綜配列を認めた.肥大型心筋症様病態を呈するNoonan症候群と考えICD留置術を施行した.Noonan症候群の出生頻度は1000~2500人程度,肥大型心筋症様病態を呈するのはその20~30%で平均診断年齢は生後5カ月とされている.今回,成人期に診断に至った稀な1例を報告する.

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