2021 年 53 巻 11 号 p. 1206-1212
症例は57歳女性.半年前から比較的急速に右前腕中央に拍動性腫瘤を自覚するようになり徐々に拡大したため近医を受診し,橈骨動脈瘤が疑われた.超音波検査およびCT検査で13 mm大の紡錘状橈骨動脈瘤と診断された.腕神経ブロック下に瘤切除を行い,断端を直接端々吻合した.病理所見では真性動脈瘤であり,病理学的に特異な所見はみられなかった.上肢に発生する真性動脈瘤は稀であり,診療方針および治療法については確立されていない.今回我々は前腕中央部に発生した真性橈骨動脈瘤に対して切除および血行再建を行い,良好な結果を得た.本疾患に対する血行再建の必要性については議論の分かれるところであるが,瘤破裂や末梢塞栓症のリスクを考慮すると,予防的手術を行うことが望ましい.