2021 年 53 巻 2 号 p. 143-148
慢性心不全は一旦入院治療が必要なほど重症化すると,心不全状態が改善しても入院前のレベルまで回復できない.心不全の進行をくい止めるためには,潜在的悪化を早期に検知し外来治療により入院を回避する必要がある.心不全の重症化は呼吸の乱れ(不安定化)に反映されることから,これを定量できる呼吸安定時間(respiratory stability time;RST)を開発した.無拘束非接触センサを用いて在宅患者の終夜RSTを毎日追跡できるICT遠隔モニタリングシステムを構築し,心不全の増悪を早期に検出する医師主導治験が進行中である.毎日病院のviewerに表示されるRST低下の推移から心不全の増悪を早期に検出し,外来治療が奏功したかをRSTの回復過程から即座に判定できる点が優れている.