心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[症例]
感染性心内膜炎に対し疣贅除去術を施行した,早産・低出生体重の新生児症例
中井 亮佑前田 佳真鴇田 雅俊小林 匠吉敷 香菜子上田 知実稲毛 章郎浜道 裕二矢崎 諭嘉川 忠博和田 直樹高橋 幸宏
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 53 巻 2 号 p. 172-176

詳細
抄録

 緒言:早産・低出生体重児における感染性心内膜炎(IE)は致死率が高い疾患である.内科的加療のみで改善を認めない場合に外科治療が検討されるが,実際に外科治療を行った報告は少ない.今回21トリソミーの早産・低出生体重児に対して外科的治療を行ったので報告する.

 症例:胎児期より胎児水腫を指摘され,前医にて在胎29週6日胎児心音低下のため緊急帝王切開で出生し,G分染法で21トリソミーと診断された.日齢20にカテーテル関連血流感染が疑われ抗菌薬治療が開始された.日齢22に血液培養検査よりStaphylococcus aureusを認め,その後も菌血症が持続し,また播種性血管内凝固症候群を合併した.日齢28に施行した心臓超音波検査にてIEが疑われ,当院へ転院となった.疣贅は径14 mmで心房中隔から左房内へかけて認め,有茎性で可動性を示した.心内奇形は認めず,卵円孔を通じて左心系へ菌が侵入したと考えられた.房室弁には疣贅を認めなかった.同日に疣贅除去術および卵円孔閉鎖術を施行し,菌血症は改善を認めた.

 結語:早産児においてIEは死亡率の高い疾患である.先天性心疾患を合併していなくても持続する菌血症がある場合は,定期的に心臓超音波検査を行ってIEの診断を見落とすことなく,適切な抗菌薬投与,遅滞のない外科的治療介入を行うことが肝要と考えられた.

著者関連情報
© 2021 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top