心臓
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[症例]
左主幹部冠動脈塞栓症による急性心筋梗塞を血栓吸引,IMPELLA® で救命し,MitraClip® で良好なMRコントロールを得た1例
櫻井 惇晶河野 優斗高江洲 悟矢口 知征清水 貴之能戸 辰徳牧野 健治長島 義宜根本 尚彦原 英彦安齋 均
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2021 年 53 巻 2 号 p. 186-192

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抄録

 症例は73歳男性,主訴は胸部絞扼感.胸痛自覚後に意識消失し,当院に救急搬送された.12誘導心電図でaVR誘導にST上昇を認めた.心室頻拍,心静止となったため,心肺蘇生を施行,VA-ECMOを挿入し,冠動脈造影を施行したところ,左主幹部(LMT)の完全閉塞を認めた.血栓吸引後,血管内超音波を施行したところLMTに動脈硬化を認めず心房細動による冠動脈塞栓症と診断し,血栓吸引のみで終了とした.最終造影はTIMI flowⅢであったがショック状態であり,IMPELLA2.5®を挿入し,ICUに帰室した.発症3時間後にCPK 16143 IU/L,CPK-MB 907 IU/Lでピークアウトした.第7病日にIMPELLA®をIABPに入れ替え,第8病日にVA-ECMOから離脱した.第12病日に抜管,第15病日にICUを退室し,第66病日に独歩退院した.しかし,退院10日後に虚血に起因する低左心機能からの機能的僧帽弁逆流症の増悪に伴い,再入院となった.MitraClip®の適応と考え,約3カ月後にMitraClip®を施行した.術後僧帽弁逆流(MR)のコントロールは良好で,3週間後に独歩退院した.左主幹部冠動脈塞栓症に対し血栓吸引,心原性ショックならびに術後低左心機能に対しIMPELLA®によるUnloadingとMitraClip®によるMRコントロールが非常に有効な1例を経験した.

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