心臓
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[症例]
皮下植込み型除細動器から経静脈植込み型除細動器への変更を要した若年の不整脈原性右室心筋症の1例
掛橋 昇太鎌倉 令和田 暢山形 研一郎石橋 耕平井上 優子宮本 康二永瀬 聡野田 崇相庭 武司大野 聖子草野 研吾
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2021 年 53 巻 4 号 p. 374-378

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抄録

 症例は16歳の女性.14歳時に水泳中にプール内で痙攣,意識消失した.自動体外式除細動器にて心室細動に対してショック作動を施行され,心拍再開後に前医に搬送となった.各種精査の上,不整脈原性右室心筋症(ARVC)の診断となり,若年であることから皮下植込み型除細動器(S-ICD)が選択された.当院紹介後,心室頻拍(VT)に対するショック作動を繰り返し,薬剤調整を試みるも洞性徐脈のため困難であった.心内膜側からのカテーテルアブレーション後もVTは抑制されず,薬物治療強化のため,S-ICD抜去および,経静脈植込み型除細動器植込み術を行った.術後,アミオダロンの導入を行い,VTの再発を認めるも,抗頻拍ペーシング機能が有効であった.今回,除細動器の選択に苦慮した若年のARVCの症例を経験したため,文献的考察を交えて報告する.

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