2021 年 53 巻 8 号 p. 866-871
複数のモダリティを用いることで診断に至った,右冠動脈瘤─冠静脈洞瘻症例を経験したので報告する.60歳代女性,心雑音の精査目的で当院に紹介受診となった.経胸壁心エコー図を施行し,右心系拡大,心房中隔に異常血流が描出された.シャント疾患を疑い,精査のため経食道心エコー図を施行した.右冠動脈は拡張・蛇行し,右房内へ流入する異常血流を認めたため,右冠動脈─右房瘻が疑われた.さらに冠動脈CT検査と心臓カテーテル検査を施行し,径30 mmの巨大右冠動脈瘤─冠静脈洞瘻と診断した.瘤破裂の危険を考慮し,人工心肺下で瘤切除と瘻閉鎖術を施行し,現在外来通院で経過良好である.