心臓
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[症例]
感染性脳動脈瘤破裂を伴った感染性心内膜炎に対して早期に開心術を行った2例
田淵 正樹日高 幸宏山内 昭彦伊波 孝路楢山 耕平島袋 伸洋孫 宰賢岩上 貴幸山田 創嘉数 真教新垣 明弘石川 裕彬
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2021 年 53 巻 8 号 p. 858-865

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抄録

 感染性心内膜炎(infectious endocarditis;IE)の多くが,診断時に脳合併症を発症している.特に頭蓋内出血の合併は,IEに対する治療方針を左右する重要な問題となる.「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」では,頭蓋内出血を合併したIEについて,「血行動態が安定していれば4週間は開心術を待機することを提案する」にとどまっている.しかし,当院では,頭蓋内出血を合併したIEに対して,脳血管内治療を先行し,可及的速やかに開心術を行う方針としている.加えて,人工心肺中の抗凝固療法を低用量ヘパリン(heparin;Hep)+ナファモスタット(nafamostat mesylate;NM)持続投与法で行い,新規の頭蓋内出血や既存の出血性脳合併症の増悪を予防している.今回,脳動脈瘤破裂を伴った2例のIEに対して,脳血管内治療を先行し,早期に開心術を行い,頭蓋内出血の増悪を生じることなく,良好な結果を得ることができた.これらの経験より,頭蓋内出血を合併したIEに対して,早期に開心術を行うためには,脳血管内治療と低用量Hep+NM持続投与法が非常に有用であると考えている.

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