心臓
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[臨床研究]
心房細動アブレーションにおけるイソプロテレノールの有効性の検討
坂本 裕資長内 宏之平松 昌太朗近藤 俊神原 貴博中島 義仁浅野 博味岡 正純
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2021 年 53 巻 9 号 p. 932-942

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抄録

 背景:心房細動(atrial fibrillation;AF)に対するカテーテルアブレーションは確立された治療であるが,術後の再発は重要な問題であり,隔離した肺静脈の再伝導や,Non-PV fociの出現が原因となる.今回我々は,肺静脈隔離後に,Dormant conductionを明らかにすること,肺静脈の不整脈基質を確認すること,Non-PV fociの誘発をすることを目的として,アデノシンに加えて,イソプロテレノール(Isoproterenol;ISP)の高用量負荷を行い,その急性期効果を観察した.

 方法:当院において初回のアブレーション治療(高周波,クライオバルーンアブレーション)を施行した薬剤抵抗性AF(発作性,持続性)の連続100例を研究の対象とした.すべての患者にまず肺静脈隔離を行い,アデノシン,ISP(6 μg/min×5 min)の順で投与を行いその効果を観察,治療方針の検討を行った.

 結果:ISPの投与により,Dormant conductionは13例においてみられ,全例において持続した.また,54例(54%)の症例において肺静脈に不整脈基質の確認ができた.うち10例はfiringが持続した.23例にNon-PV fociが誘発され,追加アブレーションを施行した.観察期間において,AFの非再発率は発作性心房細動95.6%,持続性心房細動93.8%であった(平均観察期間420±64日).

 結論:ISPにより出現するDormant conductionは持続性であることによりPV再伝導部位の同定や,肺静脈の不整脈基質の確認およびNon-PV fociの誘発に有用であった.ISP高用量負荷を用いたアブレーション治療により,良好な洞調律維持率が得られた.しかし,その効果はアデノシンと補完的な部分もあり,アデノシンと組み合わせることにより,より有効性が高まると思われた.

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