心臓
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症例 肺動脈狭窄症に動脈管開存症を合併した1治験例
小机 敏昭金子 俊昌久米 弘洋松井 道彦堀越 茂樹中西 成元鈴木 茂丸山 浩一松井 正治杉田 洋一佐々木 達海中野 雅道中村 譲宮沢 総介新井 達太簡瑞 祥森 彪
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1978 年 10 巻 7 号 p. 711-716

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抄録
肺動脈狭窄症に合併する心内奇形には,心房中隔欠損症(ASD),心室中隔欠損症(VSD)が多い,が,動脈管開存症(PDA)が舎併する症例の報告は,文献的にみて少ない.その中で先天性風疹症候群の症例を検討してみると,肺動脈狭窄症とPDAの合併が,比較的多く見られる.
われわれは,軽いチアノーゼおよび運動制限を主訴として来院した,4歳,女児の肺動脈狭窄症(弁性狭窄および漏斗部狭窄)兼PDAの症例に対し,肺動脈弁切開漏斗部狭窄除去および動脈管閉鎖術を施行し,術後,呼吸管理に難渋したが,日がたつにつれ,右心室圧が下降し,チアノーゼが消失,運動量も増加した症例を経験した.この症例は,先天性風疹症候群を疑わせるようなこともなく,肺動脈分枝狭窄もなく,比較的まれな症例と思われる.
肺動脈狭窄症兼PDAの1治験例を報告するとともに,若干の文献的考察を加えた.
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